-
AINO
¥20,000
AINO これは AI への抵抗である。 私の記憶と現実。 そのあいだに生じるマーブル状の揺らぎと淡い気配。 すべてが青い世界で停止している。 ーー 私は離婚をした。思い出すのは、夕暮れの中を二人で歩いた散歩である。青い光の中で過ごした時間は輪郭 がほどけ、元妻の顔も徐々に判然としなくなっている。青は藍に、藍は闇へと沈む。その変質は、いま撮影 している女性たちにも重なる。青が深まるほど、彼女たちの顔もまた曖昧になり、目の前にいるのが誰なの か分からなくなるのである。 私は、記憶と現実の淡いを撮る写真家である。 AI が瞬時に画像を生み出す時代になった。しかし AI には背景も物語もない。私は自分の背景──離婚とい う個の経験──を写真に投げ込み、人間にしか生み出せない像を確かめたかったのである。 「夕暮れだから、すっぴんでも大丈夫。」 元妻がそう言った。 私たちはよく散歩した。すっぴんを隠したがる恥じらいは、彼女に残っていた女性性そのものであった。 いま私は、SNS を通じてすっぴんで立つ女性たちを撮影している。理由は未練ではない。あの青い世界 の中で自分が何を感じていたのかを確かめるためである。私の中にはあの世界にしか住めない魚がいて、そ の魚に呼吸をさせたくなるのである。 写真は止まっている。 ゆえに、記憶と現実の境目を表す媒体として最もふさわしいのである。 素顔であること。 加工ではなく、ありのままであること。 それは「愛」ではなく、「藍」の世界である。 AI ではない。 そしてもう、わかっている。 さようなら。 ーAINOー
-
写真集 ー未来で会いましょうー yサイン付
¥1,760
※ yサイン付 yって鉛筆で書きます ーマスクを外す時代、その瞬間ー コロナ禍の転換期に記録したポートレート103名を収録 写真集「未来で会いましょう」 著者 :鈴木拓哉-yamabico- 出版社 :みらいパブリッシング 発行人 :松崎義行 編集 :谷 郁雄 デザイン:則武 弥 発行日 :2025年1月22日 サイズ :A5 ページ数:64ページ 第9回写真出版賞優秀賞受賞作品 若手写真家支援limelight2023グランプリ作品 塩竈ポートフォリオレビュー参加作品 ___ 出版社からのコメント マスクを外しコロナ禍の非日常から日常へ戻っていく女性たち103名の「いま」を記録し「未来」へと手渡す写真集 コロナは世界中の人々から日常を奪い、多くの死者を出した感染症です。 収束に向かっているとはいえ、今後もその脅威がゼロになることはありません。高齢者にとっては依然として命にかかわる重大な感染症であり続けています。 日本でも、マスクで素顔を隠した人々が感染を怖れながら会社に行き、買い物に出かけ、ワクチン接種の列に並んだ日々。不安な先の見えない生活が長く続き、人々の心は疲弊していきました。それまで当たり前のようにできていたことが制限され、人と人が会って語り合う機会さえ少なくなりました。それは人々の生の表情や心が見えにくい時代でもありました。 そんなコロナ禍の日々もいつしか新しい日常となり、やがてウイルスの毒性も弱まるにつれ、人々がマスクなしで生活できる場面も増えていきました。この写真集は、人々がマスクを外し、長く続いた不自由な生活からほんの少し明るい日々へと、一歩を踏み出していく瞬間を記録した、貴重な写真集です。 モデルとして協力してくれた女性たちは、SNSでの呼びかけに応じて、撮影に協力してくれた人たち。それぞれがそれぞれの思いを胸に、カメラの前に立ち、マスクを外して素顔を見せるその瞬間、世界はどんなふうに見えたのでしょうか? 『未来で会いましょう』は、コロナ禍の転換期を記録した作品というだけでなく、コロナ禍をともに経験した私たち一人ひとりの記憶を「未来」へと手渡していくための写真集なのです。 ___ コロナ禍の日々は、誰にとっても気が重くなるような時間でした。 気軽に人と会えない、外食もできない、イベントも中止続き。内向きの気持ちのまま鬱々と生きていく毎日。 本作は、そんな暗いトンネルのような日々の先に、小さな希望の光が見え始めた頃の空気感を見事に切り取っています。 ーーー ■ カラー/サイズ/バリエーション ・フルカラー印刷、サイズはA5 ・ソフトカバー仕上げ ■ 素材/製造国 ・高品質なマット紙を使用 ・日本国内で製造 ■ お手入れ/取り扱い注意事項 ・直射日光を避けて保存してください ・水濡れにはご注意ください ■ 発送・注文に関する情報や注意事項 ・ご注文から発送までに約5~8営業日を予定しています ・発送は国内に限られます ■ その他の情報や注意事項 ・数量限定のため、品切れになる可能性があります ・ご購入の際は、お手数ですがサイズや数量をご確認ください お問い合せはショップのお問い合わせからお願いいたします。